2017年11月27日、本学と遼寧人民出版社及び中国日本語教育研究会大連分会が合同主催の外国語辞典編纂(『新日漢辞典』《改訂版》出版)フォーラムがわが校で開催された。国内の日本語言語文学学科の専門家と辞典編纂の専門家及び出版業関係者が一堂に会して、「外国語辞典編纂・『新日漢辞典』(改訂版)編纂をめぐって」をテーマとして、編纂中に直面した諸問題、すなわち改訂原則、語釈方法、新語選択、読者需要、編集チームの組織といった問題について、熱い議論を展開した。
中国日本語教育指導委員会主任、天津外国語大学元学長の修刚氏、中国日本文学研究会会長、上海翻訳家協会会長、上海外国語大学元副学長の譚晶華氏、中国日本語教育研究会の副会長、広東外国語大学の元副学長、南国商学院督学の顧也力氏、中国日本語教育研究会の副会長、遼寧師範大学元副学長曲維氏、中国日本文学研究会副会長、中国作家協会の元対外連絡部副主任、作家、翻訳家陳喜儒氏、大連中日友好学友会会長、大連理工大学日本研究所所長の杜鳳綱氏、『日本語の学習と研究』編集部の主任の李広悦氏、中国の日本語教育研究会大連分会会長、『新日漢辞典』(改訂版)編集長、本学日本語学院教授の陈岩氏、中国日本語教育研究会副会長、『新日漢辞典』(改訂版)編集長、本学日本語学院教授の劉利国氏、遼寧人民出版社常務副社長の蔡文祥氏らがフォーラムに参加した。
王伟辰副学長は、開会式のあいさつで、「『新日漢辞典』(改訂版)は日本語学院3世代の学者が絶えず研究を重ねた結晶であり、日本語学院の伝統を継承し発展させた結果でもある。権威ある著作を受け継ぎそれを発展させる、これが『新日漢辞典』(改訂版)の追求する精神であり、我々の義務と社会的責任でもある。同書の出版を機に、専門家や研究者が真摯に意見を交換し合って今回のフォーラムが学術的な意味と実踐的な意義を兼ね備えたフォーラムになるよう希望する」と述べた。
蔡文祥副社長は挨拶の中で、「『新日漢辞典』は大型の総合的な日本語研究学習のツールとして、1975年に、六番目に我が国の五か年重点出版計画プロジェクトに組み入れられた。今回の改訂版も2013年に2013-2025年国家重点辞書編集出版計画プロジェクトに登録された。この辞典の編纂は難度が高く、完成までに多くの労力と時間を要した。同書は何世代もの編纂者や出版人の智慧と労力を凝縮させた逸品であり、中日文化交流のために構築された重要な架け橋であると同時に、わが国の辞書のレベルを世界に示した」と指摘した。
修刚教授は『新日漢辞典』(改訂版)を高く評価し、「中国の多くの日本語学習者は、『新日漢辞典』の助力で、日本語の勉強をし、成長してきた。改訂版は、その良いところを伝承しただけでなく、日本語学界最新の学術的成果である。中国の日本語学習者の福音となり、中国の辞書研究にも大いに貢献するものだ」と述べた。
陳岩教授は辞典の改訂状況を紹介した。彼によれば、『新日漢辞典』(改訂版)は全面改訂され、総字数は従来のものより約120万字増加、修正率は55%程に達し、中型の日本語ツールとして、収録語彙の多さ、最新の情報、正確な語釈、実用的な例証、豊富な付録といった特徴を持っており、日本語学習者の需要を十分に満たすことができるという。
その後、辞書編集の主要メンバーである孟海霞、呂東昇、徐文智、何志勇、黄健、胡小春及び出版社のマーケティングセンターの陳昊主任らがそれぞれ、辞典の新語選択、語釈の原則と方法、体裁の規範、アクセントの表記、辞典の発行などについて発言し、日中辞典の編纂に対する意見を交わした。
1979年に出版された『新日漢辞典』第1版は最も人気のある日本語ツールとして、中国人日本語学習者から歓迎されてきた。刊行以来累計50回再版され、発行部数は150万部に達している。ベストセラーとして、国内外にも影響力が及び、「全国優秀辞書」にも選ばれたことがあり、日本国際交流基金が推薦した唯一の日中辞書であった。2007年9月、遼寧人民出版社の企画で、日本語学院は辞書改訂版の編纂委員会を設立し、日本語専門教師、専門家、大学院生など160人余りを動員して、改訂作業を行ってきた。